
種別: 古本
タイトル: 生態学からみた自然
著者: 吉良 竜夫
出版社: 河出書房新社
発行年: 昭和54年
説明:
(版元品切れ・重版未定)
好む好まざるにかかわらず、いまやわれわれ人間は、地球上の全自然を支配下においた。南極のペンギンの体からDDTが検出され、大洋の中心部にも廃油のかたまりが浮いている以上、もはや地球上には、人間の息のかかっていない原始的な自然などは存在しない。 今世紀の技術革新以前、少なくとも産業革命以前の地球の自然は、四十数億年かかって進化してきた秩序のもとに制御されていた。いいかえれば、それは神のつくった秩序であった。しかし、現代の自然は、もはや神の秩序では制御しきれなくなっている。人間によって変革された自然に、どのような秩序をあたえ、どうして平衡をたもたせるかは、人間自身の責任であって、もう神の力にたよるわけにはゆかない。 地球管理の責任が神から人間にうつったということ、これが、ここ数年の世界的な環境問題論議の結論といっていいだろう。
人間が責任をはたすための第一歩は、やはり神の知恵を完全に習得することからはじめなくてはなるまい。地球の自然のなかで生物がはたしている役わりの大きさを指摘したのは、生態学の功績のひとつであった。 生態学の立場からの自然研究の現代的な意義は、まさにこの点にあることをつけくわえておきたい。
(本書「あとがき」より)
コンディション:D
カバー上部折れ、擦れ、裏表紙上部折れ&破れ。三方焼け強い。ページ焼け強い。
コンディションについて
A: 新刊並みにきれい。
B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。
C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。
D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。
E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。