種別: 古本
タイトル: WILLY RONIS
著者: WILLY RONIS
出版社: 何必館・京都現代美術館
発行年: 2006年
説明:
ともすると芸術作品は、 神秘性や非日常的な美しさ、 衝撃だけを強調し、時流や風潮に乗って感覚の表層をかすめるだけのものになりうる。
しかしウイリー・ロニスの作品には、労働、 反抗、 お世辞 毅然とした態度、謝罪、諦め、落胆、 そして死といった、 我々と同じ場で責任を担い、 生きる姿の中から確かな芸術性が掴み出されている。
彼の作品には、パリ市民であるロニスの、最も身体化された 「パリの自由」 が写りこんでいる。 そして真の人間性によって静かに流れ、 長い時間を経て沁み出すように感じられてくる何かがある。 私たちは、そういう芸術作品に対してこそ、もっと繊細になるべきではないだろうか。
我々日本人は、自由を制度的に取り入れ、 公的、 社会的、経済的自由を次々に与えられてきた。 が、 そうした外的自由に心を奪われ、内面にある自由の契機を見失ってしまったように思う。 その結果、 現在 「自由」の動脈硬化が梗塞状態に陥っている。 ロニスのような、 地に足のついた自由から見れば、 私たちの自由は与えられた自由であり、独り立ちできないものなのではないだろうか。
(本書の冒頭、梶原芳友氏の「同時代の証人」より)
コンディション:B
カバー汚れ、上部折れ、擦れ。
コンディションについて
A: 新刊並みにきれい。
B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。
C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。
D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。
E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。