種別: 古本
タイトル: 石の音、石の影
著者: 舟越 保武
出版社: 筑摩書房
発行年: 1985年
説明:
これだけは書きのこしたいと、永いあいだ暖めておいたものが、さて文字になって、読みなおすと、なんともつまらないものに見えてきます。
誰もが苦しんでいることを、まるで自分一人が苦しんでいるような、考えの甘さがあるからでしょう。
生あるものの必然の帰結。 避けることのできないこの終りから、眼をつぶって逃れようとする私の、滑稽な姿が見えるようです。
断崖の岩にしがみついて、這い上ろうと足掻いている、マンガのオジサンの姿が、私とダブって見えます。
私は彫刻を作って、今日まで食いつないで来ました。
この文集は、制作のあいまに、少しずつ書いてきたのが溜ったものです。
原稿用紙に向うと、私はデッサンを描くために白い画用紙に向ったときと、同じような緊張を覚えます。
思うことが、うまく書けないのは当然ですが、何べん書きなおしても、自分の思いが言葉に伝わらないので、もどかしく思います。
(本書の「あとがき」より)
コンディション:C
箱入り。箱縁擦り切れ、擦れ、汚れ。ページ焼け、最後の見返しに古本シール剥がし跡あり。
コンディションについて
A: 新刊並みにきれい。
B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。
C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。
D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。
E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。