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(Soleil松陰神社前)遠い呼び声の彼方へ

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種別: 古本 タイトル: 遠い呼び声の彼方へ 著者: 武満 徹 出版社: 新潮社 発行年: 1992年 説明: 初版。 (本書の「後記」」より) 後記 武満徹  久しく文章というものを書かなかった。作曲のためのとりとめない覚書のようなものは割とこまめにノォトしているのだが、註文のエッセイその他は、この七年ほど、殆ど、書かずじまいだった。随って、今回は、古い文章と、講演等の草稿が主になった。  前の本『音楽を呼びさますもの』)のあとがきにも記したように、文章を書くのが昔よりずっと億劫に感じられる。筋道立ったものを書く鬱陶しさに我慢がきかなくなった。その暇に一曲でも作曲したいというのが実際のところである。 では、作曲行為が全く言葉と没交渉であるのかと云えば、そうではない。むしろ、その逆かもしれない。  浮かんでくる形の歪な楽想とイメージに対して明確な縁をあたえようと試みる時、どうしても言葉にたよらざるをえない。だがそれは論理的に作文するというようなことではなく、もっと瞬間的な、劇的な、言葉との交渉である。 随って、時として言葉は、私にとって、ある種の濾過装置であり、それに託して他人に物事や感情を伝えるというものではない。  だがそれにしても、前にも書いたように、実際には、言葉の杖を離すことはできない。音楽の世界に没入するためにも、私は、自分とこの状況 (世界)との関わりについての言葉による) 検証を怠るわけにはいかないのだ。  この頃になって、追悼文を書く機会がめっきりと多くなった。自然の成り行きとはいいながら、やはり寂しい。  こうしてまたもや一冊の本を上梓することになったのだが、その意味は、いったい、何なのだろうか。  吉武力生氏には、今回もまた、一から拾まで御苦労をかけてしまった。 装幀の宇佐美圭司氏と年表 作製の秋山邦晴氏にも、同様に、深甚な謝意を表したい。 September 1992 コンディション:B カバー上部折れ、擦れ、焼け。背上部に傷み、汚れ。角傷み。 コンディションについて A: 新刊並みにきれい。 B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。 C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。 D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。 E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。

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