
種別: 古本
タイトル: シャガール 『アレコ』とアメリカ亡命時代
著者: 青森県立美術館
出版社: シャガール展実行委員会
発行年: 2006年
説明:
20世紀を代表する画家の一人、マルク・シャガール (1887-1985) 。青森県立美術館はシャガールが、1942年に手がけたバレエ『アレコ』の背景画、全4点の内、3点を収蔵しています。ユダヤ人であるシャガールは、ナチス・ドイツの迫害から逃れるため、1941年、住み慣れたフランスからアメリカに渡り、約7年間の月日をその地で過ごしました。バレエ『アレコ』の背景画が制作されたのは、このアメリカ亡命時代のことです。
アメリカのシャガールには、劇的な運命が待ち受けていました。皮肉なことに、シャガールと妻ベラがアメリカへ到着したのと時を同じくして、シャガールの永遠の故郷ヴィテブスクがナチス・ドイツ軍の侵略によって灰塵に帰します。そして三年後には、愛してやまなかったベラが急死します。シャガールは心の支えともいえる二つの大切なものを失ったのでした。こうした喪失感に加え、亡命者としての異国での暮らしは、シャガールに流浪galuthの運命を強く意識させます。そしてこのことが、シャガールの当時の作品に、特異な表現と力強さを生み出しています。
バレエ『アレコ』の背景画もまたそうした作品の一つです。1点の大きさは、縦約9メートル、横約15メートル。シャガールの作品としては日本で最も大きいものです。本展ではこれら3点を、フィラデルフィア美術館が収蔵する残りの1点(第3幕)とともに、美術館の中心に設けられた巨大な吹き抜けの空間、アレコホールに展示します。美術館での全4点そろっての展示は世界で初めてのことです。また、背景画とともに出品される、ダンサーの衣装やデザイン画の数々が、シャガールの想像力あふれる舞台の世界を色鮮やかに再現します。
シャガール遺族の特別な協力を得、舞台美術作品をはじめ、油彩画や水彩画、版画など、196点におよぶ秀作で構成される本展。シャガールの展覧会としては初めてアメリカ亡命時代に光を当てたことで、その中には日本初公開の貴重な作品も多数含まれることになりました。
「魂の中の国、それだけが私の祖国。」シャガールは自らの詩の中でこう語っています。本展に出品された作品の一つ一つは、シャガールが生涯を通じて魂の中にある祖国を描き続けた画家であったことを教えてくれます。その魂の祖国は、平和への祈りと情熱的な愛、そして画家の創造力が生み出す果てしない自由で満たされた場所です。
さあ、あなたもシャガールの「魂の中の国」へと足を踏み入れてみませんか。
(展示会の説明文より)
コンディション:A
表紙擦れ。美本。
コンディションについて
A: 新刊並みにきれい。
B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。
C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。
D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。
E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。