
種別: 古本
タイトル: 雨とひょう
著者: フランクリン M.ブランリー、ヘレン ボーテン/絵、 川西 伸男/訳
出版社: 福音館書店
発行年: 1995年
説明:
驚きや好奇心を誘発する本
鷺谷 昻
複雑な自然の現象のなかから一つのものを知識としてまとめるのには、自分の知っていることをすべて動員してかかることが必要です。 こうした探究の方法の案内として、科学絵本はたいせつな役割を果たします。 たとえば11ページに、一滴の水と雲の水滴の大きさを比べた絵があります。 これを見た子どもは「へーえ、雲の水滴はこんなに小さいの」 とびっくりします。 また雹のできかたを知った子どもは、雹が何層にもなっていることを確かめたくて、 雹が降ってくるのを楽しみに待つようになります。 こういう驚きや好奇心を誘発することは、科学の本としてとても重要です。
絵本といえば幼児向きときめてかかる傾向が、わが国には根強くあります。しかし、絵の助けを借りて対象を具体的にとらえることは、科学の本のばあい、ひじょうにたいせつなことです。 水が蒸発して蒸気になる。 それが冷えてまた水にもどる。この問題は学校教育のなかでは4年生ではじめて習うことですが、こうした絵本の力を借りれば、幼い子どもだけではなく、 3~4年生でも雨やを視覚的に身近にとらえることができるでしょう。こういう意味でも、絵本の役割をせまく考えないでほしいものだと思います。
科学絵本というと、 書いてある知識をただ覚えさせようとするおとなが多いのですが、そうではなく、子ども自身の手で知識を確かなものにつくりあげていく読ませかたを、この本で試みてはいかがでしょうか。 このシリーズの本は、単なる知識を並べた本としてではなく、こうした与えかたをしたいものです。
(本書の最後のページの解説文)
コンディション:C
表紙擦れ。ページ縁焼け。
コンディションについて
A: 新刊並みにきれい。
B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。
C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。
D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。
E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。