
SOLD OUT
種別: 古本
タイトル: うくことしずむこと
著者: フランクリン・M・ブランリー、 ロバート・ガルスター/絵、松田 道郎/訳
出版社: 福音館書店
発行年: 1995年
説明:
簡単な実験から解決の手掛りを
小林実
水に浮くものと沈むものとがあるという事実は、子どもたちには大変わかりづ
らい問題です。 小・中学校の理科教育では、この10年あまり、これをどう教える
かについて、かなり議論されてきました。
水に浮くものと沈むものとは、そのものと同体積の水の重さとくらべるとわか
あるとする考えに従って教えようとする意見がありました。 これは、鉄の比重、
木の比重を扱うことにあたります。
いっぽう、水とくらべようと否とにかかわらず、鉄1cmの重さは7.8g であり、
水は1cmが1gである。このように、物には固有の重さがあり、その重さは、水
に入れようと、 食塩水に入れようと変わりはない。 水に浮くか沈むかを教えるよ
りも、この物質の固有の重さをしっかり教えることがたいせつだとする意見
がありました。 これは、鉄や木や水や油の密度を扱うことにあたります。
比重か密度かという議論は、けっきょく、密度を教えることに落ちついたかに
みえます。 しかし、同じ鉄でも、釘は沈み、 大きな船が浮くことは、密度だけで
は解決されません。
このブランリーの『うくことしずむこと』 は、 主張としては前者に近いように
みえます。 しかし、この著者は、 あきびんを水に入れるという簡単な実験から解
決の手掛りをつかませます。
水に入れると水面が高くなるという事実に目を向けて、 びんがおしのけた水と
いうつかみ方を示します。 そして、 “おしのけられた水の重さが、 びんの重さと
同じときに浮く”という説を、砂をびんに入れて確かめさせます。 さらに、大き
な船や潜水艇にひろめます。 また、 空気は物を浮かせるのに役だつことを扱い、
その根底に上の説があることをくりかえし納得させます。 この説を根拠にすると、
すべて解決できることを子どもたちに確認させています。
疑問に対して簡単な実験で説明の根拠をつくり、 それを確かめ、 また、諸現象
にひろげていく。そして、子どもたちの強固な認識とすることが、この本のおも
なねらいだということができるでしょう。
(本書の説明文)
コンディション:C
表紙擦れ。ページ縁焼け。
コンディションについて
A: 新刊並みにきれい。
B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。
C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。
D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。
E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。