









種別: 古本
タイトル: 茶の美
著者: 千 登三子/監修、小林 庸治/写真、倉斗 宗覚/文
出版社: 淡交社
発行年: 1999年
説明:
茶道は、すべての稽古事と同様に基本がたいせつであり、それをないがしろにしては豊かな意味も深みも味わえず、心のやすらぎにも癒しにも到達しないと思います。 学校でも家庭でも、社会と称するフィールドでも為し難い膜をぜひ茶道でと言われる今日、そしてまた、いかにお茶が精神の拠り所、本来の健康の素と、今様〝喫茶養生記〟を声を大にして言っても、お茶が正しく行じられ、お人とたのしく通い合わなくては、ただ単なる意識の遊びにすぎないことになるのです。いわゆる孤高の精神、すなわち秀れて清かな思惟も、存在としての優しい息づきなくしては本来の茶の美ではありますまい。
茶は服のよきように点て
炭は湯のわくように置き
花は野の花のように生け
等々、利休居士は七則の中でこのように具体的な教えを示されています。あるべきようの姿とはそういうことで、それ以上でも以下でもないのです。さ走る渓流の水そのもののように、万物にさからわず、しかも確かに自己として存在する相が茶道であり、茶の美でありましょう。
此の本の中で数々見受けることのできる道具類、 茶花、 茶室の部分、 室礼、そしてなにより点前のひとこまひとこまなど、そのどれを見ても私は感動せずにいられません。 それは先述した猪熊画伯のおへやの一本の柄杓の呼吸に相通じるものがあるのです。天に向かい地に向かい、人と和している脈々たる精神といえばいいのでしょうか。
何か大袈裟なことを言ったようで、いつのまにか私自身が身構えた呈になりました。
水と湯と茶巾茶筅に箸楊枝
柄杓とこころあたらしきよし
利休居士の百首から敢えてこの一首を書き写して、お互いによりさわやかな日々を迎えたいと存じます。
(裏千家茶道家元夫人)
(本書の冒頭の文章より)
コンディション:B
表紙擦れ、縁傷み。最後の10ページほど角微折れ。
コンディションについて
A: 新刊並みにきれい。
B: カバーの折れや擦れがある。ページの焼けはない。
C: カバーの折れや擦れが目立つ。ページの縁周りに焼けがある。しみや汚れがある。
D: カバーの折れ、擦れが目立つ。ページ全体が焼けている。しみや汚れが目立つ。
E: カバーの折れ、擦れ、汚れ、破れが目立つ。ページ全体の焼けが強い。しみや汚れが著しい。